近年住宅購入の際、新築物件以外に中古マンションのリノベーションという選択肢が増加傾向にあります。
中古マンションのリノベーションには、新築マンションを凌ぐメリットが多くあるようです。
ここでは、中古マンションのリノベーション費用の相場、コスパの良し悪し、リノベーション費用を左右する要素についてご紹介します。
目次
中古マンションリノベーションの費用相場
リノベーションの費用は施工面積によって大きく変動します。
また、断熱材や配管には手を入れず、現状の間取りを活かす表層リノベーションか、配管等の見えない箇所まで丸ごと手を入れ、間取りなども一から作るフルリノベーションかでも相場は異なります。
まず、表層リノベーションの場合の費用相場です。
面積(部屋数) | 金額 |
40㎡(2DK程度) | 350~550万円 |
70㎡(3LDK程度) | 450~700万円 |
90㎡(4LDK程度) | 550~850万円 |
断熱や配管等にも手を入れるフルリノベーションの場合は、上記に加えて150万円程度かかります。
ロフトや大型収納、既製品にないものなどを導入する場合、費用は高額になりますが、スタンダードな建材を選べばそれなりに費用を抑えることも可能です。
新築マンションVS中古マンションリノベどちらがコスパ良い?
中古マンションをリノベーションするという選択肢の他で、候補に上がるのは新築マンションの購入でしょう。
果たして中古マンションを購入してリノベーションをするということは、新築マンションを購入するよりもコストパフォーマンスが良いのでしょうか。
結論から言うと、中古マンションのリノベーションはコストパフォーマンスが良いです。
理由は下記の通りです。
躯体を変更しないため、費用が抑えられる
マンションをリノベーションする際には、基礎や壁、柱などの躯体(くたい)と呼ばれる建築構造を支える骨組みや共用配管の変更ができません。
これが戸建て住宅のリノベーションと大きく異なる点です。
そのため、お部屋の間取りの変更等はできますが、基本的にトイレ、お風呂、キッチン等の水回りに関しては大きく位置を変更することはできません。
(あくまでの大きく変更することは難しいという話で、基本的にお部屋内の配管は全て新たに引き直しますし、キッチンを壁付け型から対面型にするなどの一定の位置変更は可能です)
逆に言えば、戸建て住宅のリノベーションと違って躯体をいじらない分、お値段は若干安くなるということです。
従って、中古マンションリノベはコスパが良いと言えます。
地域によっては中古マンションの販売価格がリーズナブル
地域や築年数にもよりますが、新築物件と中古物件では、販売価格は大幅に異なります。
首都圏のエリアで少々差はありますが、新築物件の相場が4,500万円前後とすると、同等の面積の中古物件の相場は2,500~3,000万円程度です。
築円数が20年など古い物件であれば、1,000万円台の物件も多く出回っています。
この物件の購入費用に上で書いたリノベーション費用を上乗せしても、新築マンションよりも価格を抑えられる上に、自分の理想の家が手に入るため、コストパフォーマンスは良いと言えるでしょう。
ただし、リーズナブルな中古マンションは外観が古いということもあり得ますので、気にされる方もいるかもしれません。
間取りを自由に選べる
新築物件の場合、基本的に間取りは2~3パターンで、選択肢は限られています。
一方リノベーションの場合は、構造上許す範囲で自由に間取りを選ぶことが可能です。
部屋数や部屋の位置、ちょっとした間仕切りなど、様々な工夫が可能です。
新築マンションと同等価格、もしくは安い費用でこの自由を得られるのであれば、コストパフォーマンスは十分良いと言えるでしょう。
立地が良い物件が多い
中古物件は立地が良い物件が多くあります。
駅など利便性の高い土地は、基本的に土地は余っていません。
そのため、リーズナブルな新築物件は再開発エリアや、駅からやや離れた立地のものが多くなります。
通勤や通学に駅を利用しなければならないため駅近を希望している方にとっては、中古物件にメリットがあるかもしれません。
また、新築物件は入居開始時期が決まっているため、入居希望時期と合わない可能性がありますが、中古物件はそういったリスクを懸念する必要がないことも大きなメリットと言えます。
新築物件のように、建物そのものの真新しさ、美しさはありませんが、利便性の良さなども加味すると、中古マンションのリノベーションは、十分コストパフォーマンスが良いと言えるでしょう。
こんなはずじゃなかった!?リノベーションで費用が膨らむポイント
いくらコストパフォーマンスが良いと言っても、リノベーション費用が多くかかってしまえば支出総額は膨らみ、コストパフォーマンスは悪くなってしまいます。
リノベーションのメリットを享受するために、リノベーション費用を大きく左右する要因は押さえておきましょう。
専有部分が広い
上でも触れた通り、マンションの専有部分の広さによって施工範囲は広がるため、その分リノベーション費用は高くなります。
階数が高い
新築のように人が住んでいない状態で工事を進められるわけではありません。
資材を運搬する工数が大きくなるため、リノベーションの工事費用が高くなります。
階数が高いほど工事費も高額になるため、物件を選ぶ際に注意しましょう。
間取りやデザインにこだわってしまう
トイレや風呂場などの水周りの配置、床材・壁紙・システムキッチンやユニットバスのグレードなどによって、費用は大幅に変動します。
意外と高くつくのがキッチンの移動をする工事です。
例えば、壁付きキッチンを対面式キッチンに移動すると、排水ダクトや換気ダクトなど様々な配管移動の工事も伴うため、工事費が高額になります。
またマンションの場合、集合住宅なのでメインの配管を移動させることは不可能な上、管理規約に記載された様々な制限があります。
無理のない工事内容にすることで、費用も抑えられます。
居住地域
地域によって施工する職人さんの工賃相場も、資材の価格も変わってきます。
都市部になるほど高くなるため、あらかじめ認識しておきましょう。
まとめ
- 中古マンションリノベーションの費用相場は、面積と施工内容によって振れ幅がある
- 中古マンションリノベーションは、コストパフォーマンスが良い
- リノベーション費用を抑えるためには、費用を左右する要素を押さえておくべき
中古マンションのリノベーション実績を多く持っている業者も増えてきているので、施工事例や自分との相性を考えながら、最適な業者を選んで物件の購入、リノベーションの計画を進めていくことをおすすめします。