家の外壁同様、屋根も経年劣化が進むため、塗装や補修などの定期的なメンテナンスが必要になります。
この記事では、屋根の塗装・補修の費用相場、メンテナンスのタイミングについてご紹介します。
目次
屋根の塗装・補修の費用相場
屋根の塗装や補修にかかる費用は一般的に、40~100万円が相場と言われています。
相場にだいぶ幅がありますが、費用が高くなる傾向があるのは、葺き替えや重ね葺きなどの大規模な補修が必要なケースです。
塗装の身の場合は面積によって差が出ますが、高性能の塗料を使用しても40~60万円程度で収まる場合が多いです。
一方、屋根材自体を交換する葺き替えや重ね葺きの場合、使用する屋根材や施工内容によっては100万円以上の費用が掛かることもあります。
また、屋根の塗装や補修は高所作業です。
作業のための足場を組む必要があり、足場代が発生します。
一般的に足場代は、「足場を架ける面積(〔家の外周+8m〕×高さ)×1300円/㎡」で計算するのが相場です(飛散防止のシート費用も含む)。
概ね20万円程度を見ておくと良いでしょう。
その他にも、塗装の前に汚れを落とすための高圧洗浄(200~300円/㎡)、屋根以外に雨どいなども一緒に塗装する場合は面積に応じて追加費用が発生しますので、あらかじめ認識しておきましょう。
屋根の塗装・補修の最適なメンテナンス時期
屋根のメンテナンスが必要になるタイミングは、築10年目と言われています。
このタイミングでは、塗装メンテナンスで済むことがほとんどです。
屋根材そのものに痛みや故障個所があった場合、個別で補修が必要になりますが、屋根の葺き替えのように費用が高額になることはありません。
さらに10年経過、つまり築20年以上になると屋根だけでなく、家全体に補修が必要な箇所が出てきます。
屋根材自体も20年前の製品を使っている状態であるため、劣化だけではなく遮熱性能の欠如なども目立つようになるため、屋根材自体を一新する葺き替えや重ね葺きをするケースが大半を占めます。
補修が必要になるかも?な要注意ポイント
10年経っていなかったとしても、下記のような現象が起きている場合は早急に業者に確認してもらいましょう。
瓦がひび割れている
小さなひび割れでも、雨風にさらされることで損傷が進行します。
最終的には瓦が落ち、屋根の下地がむき出しになり屋内に被害を及ぼすことになりますので、早めに対処が必要です。
棟板金が浮いている
近年多用されているスレート屋根の一番上に屋根を押さえるために設置されている金属です。
建物の中で最も直射日光を浴びる場所のため、熱の影響で変形して浮いてしまうことがあります。変形に伴い釘が浮き出てくることもあります。
これを放置すると、いつの間にか下地がむき出しになってしまうということが起きるため、注意が必要です。
漆喰がひび割れている、はがれている
セメント瓦などを固定するために用いられる漆喰がひび割れたり、はがれて落ちていたりしたら要注意です。
強風や地震などによって瓦が落ちてくる原因となるため、早めに対処したほうが良いでしょう。
苔や藻のようなものが生えている
屋根の塗装剤が劣化して防水機能が落ちると発生します。
そのまま放置すると屋根全体に広がり、雨漏りなどの原因となっていきます。
塗装の対策だけで済むはずが、最悪の場合下地の交換、全体の葺き替えが必要になることもあります。
瓦が反っている
瓦が湿るのと乾燥するのを繰り返すことで、スレート瓦などの種類の場合、瓦が反ってしまうことがあります。
そのままにしておくと、反った隙間から雨水か入り込むようになり、雨漏りの原因となります。
なお、屋根の変化を確認するために屋根に上ることだけは絶対にやめましょう。
正しい知識と技術を持たない人間が屋根に上ることは大変危険で、自己つながる可能性もあります。
屋根の確認をするときには、ベランダや少し離れた場所から双眼鏡などを使って見ることをおすすめします。
また、目に見える変化だけではなく、一見特に問題がなさそうに見えても防水性能が落ちていて、いつの間にか屋根裏から雨水が入り込み、柱や梁を腐らせてしまうということがあります。
違和感があったタイミングで、専門業者に劣化状況を確認してもらうと良いでしょう。
屋根の塗装・補修で知っておくと得すること
屋根の塗装や補修をする上で、知っておいて得することをいくつかご紹介しましょう。
屋根と同時に外壁も塗装すればコストダウン
屋根と同様、外壁も定期的なメンテナンスが必要になります。
屋根の塗装や補修をする際にまとめて依頼すれば家全体が綺麗になるだけではなく、別々でやる場合の足場代をまとめることができ、全体のコストダウンが実現可能です。
二つまとめた施工費用は、最低ライン80万円程度が一般的です。
遮熱性能が高い塗料や瓦を選ぶことで家の気温を下げられる
屋根は家の中で最も太陽に近い場所です。
屋根そのものが熱くなるだけではなく、その熱を家全体に伝えてしまうのです。
屋根のメンテナンスをする際に遮熱性のある塗料や瓦を使用することで、屋根の温度上昇を緩やかにし、室内の気温を下げることが可能になります。
夏場の電気代を節約するのにも最適な方法のため、ぜひ検討することをおすすめします。
火災保険が適応できる可能性も
経年劣化の場合は対象になりませんが、台風や大雪などの自然災害の場合は火災保険の対象となり、施工費用を保険金で賄うことが出来る可能性があります。
契約中の火災保険の内容を確認し、専門業者に屋根の状態をチェックしてもらってみてください。
まとめ
- 屋根の塗装・補修の費用相場は40~100万円
- 屋根の葺き替えが必要な場合は100万円以上かかることも
- 築10年で塗装しなおし、20年で葺き替えが目安
- 目に見える変化があった場合は早めに業者に相談を
屋根の異常は素人目ではわかりにくいことが多いです。
ちょっとした異変を感じた場合は、できるだけ早く専門業者に確認を依頼することをおすすめします。