防音注文住宅防音材

働き方改革や新型コロナ感染症対策により、テレワークで仕事をする方が増えています。

それに伴い、騒音に関する悩みを聞くことが増えてきました。

例えば、

  • 家族や近隣の住民から電話やWeb会議の声がうるさいと言われた
  • 子供の騒ぐ声がうるさくて集中できない
  • 近隣の家からピアノの音が聞こえてきてうるさくて集中できない
  • 隣家の足音や外の音が聞こえて集中できない

という、自分自身が騒音を感じるケースや、他人に騒音を感じさせているケースです。

特に、マンション住人の方でこのような悩みを持つ方が多いようです。

このページでは、テレワークをしているマンション住人の方に向けた防音の方法や費用相場について書いてきます

リフォームに限らず、様々な方法を紹介してきますので、是非参考にして下さいね。

騒音のレベルと防音性能まとめ

会議の声やピアノの音は非常に大きい

上記したように、テレワークにおける騒音は人の話し声や、楽器の音などが主となります。

まずは、以下の表で、騒音の大きさの目安について確認して下さい。

騒音のレベルはデシベルdB(A)で表します。このデシベルですが、数値が大きいほど、騒音のレベルが大きい、つまりうるさいということを示しています。

デシベル(騒音の大きさ) 騒音の例
100dB ピアノを弾く、鉄道ガード下
90dB 大声で歌う、パチンコ店、ゲームセンター内
80dB 地下鉄の車内、セミの声
70dB Web会議の会話、電話のベル
60dB 普通の会話、役所の窓口周辺
50dB やや小さな声の会話、美術館内、静かな事務所
40dB ささやき声、図書館内、閑静な住宅街

こうしてみると、ピアノを弾いたり、大声で歌ったりするのは騒音レベルとしてはかなり大きいことが分かります。

対して、建物の防音性能は以下が目安と言われています。

建物の種類 防音性能
鉄筋のマンション Dr-45
木造アパート Dr-30

このDr(D値)というのは、「空気伝播音を減衰(透過損失)させる性能≒遮音性能」です。

少々乱暴な例えですが、Dr-45の壁で囲まれた部屋で100dBのピアノを弾くと、隣の部屋には55dBとなって聞こえるということになります。

鉄筋マンションですら、普通に会話するレベルの音がお隣さんに響いているということですので、多くの賃貸物件でピアノ禁止になっているのは自然なことと言えるでしょう。

また、人の声もそこそこ聞こえてしまうことがお分かりかと思います。家族や隣人から会議の声がうるさいと言われるゆえんですね。

ポイント

24時間ピアノOKと広告されている音大生専門の防音マンションですら、実際はお隣さんからクレームが来るというケースを聞いています。

音には、固体伝播音と空気伝播音がある

音は「固体伝播音」「空気伝播音」の2つに分けられます。

固体伝播音 何かを床に落とす、足で床を踏み鳴らす、床を椅子で引きずる、壁をドンドンと叩く、ウーハーで重低音を鳴らすなど、壁や床、天井を介して振動が伝わっていく音
空気伝播音 楽器の音(壁や床に接地している場合は固体音に分類される)、ペットの鳴き声や歌声、話し声、自動車が走る音など、空気を介して伝わる音

上記のD値(Dr)は空気伝播音の遮音性能を示しています。固体伝播音でないことに注意が必要です。

固体伝播音は対策するのがかなり厄介です。そもそも壁や天井自体が振動して音を発しているからです。

椅子の足が床にこすれて出る音というのは一般的な騒音としてよくあるものですが、こういった場合はキャスターをつける、ゴムのアタッチメントを付けるなどの対策があります。

一方、足音に関しては対策の難易度は非常に高くなります。

マンションでは足音が問題化しやすいため、建築の段階から分厚いコンクリート床(スラブ)で遮音されています。

このように、非常に質量のある物質で振動を遮断しなければならないものですので、コルクを敷き詰めたり、防音絨毯を敷いたとしても、若干の効果にとどまります。

どうしても設置面が生まれてしまうピアノ用の防音室は、床の部分に防振ゴムを取り付けることで、固体伝播音を軽減するなど、床を2重にする工夫をしています。

自分が上階の住人の足音に本当に悩んでいる場合、天井が低くなることを承知で天井を2重にし、防音材を詰め込んで対策した例がありますが、このように大掛かりな工事をしても100%の防音は難しく、固体伝播音の対策はなかなか難しいものです。

外からの騒音を防ぎたい場合は内窓が有効

幹線道路沿いや小学校等の近くに住んでいる方は、外の騒音がうるさくて仕事に集中できないということはよくあるかと思います。

騒音の最も大きな要因は、窓の防音性能が低いことにあります。マンションの壁はDr-45程度ですが、窓についてはDr-20程度の防音性能しかないからです。

このような場合、最も効果的かつ低料金でできる方法として、「内窓」の設置があります。

インプラスという商品名を知っている方も多いと思いますが、窓を既存の窓の内側に設置して二重にすることで空気の層をつくり、遮音性を高めることが可能です。

性能としてはDr-40程度まで引き上げることが可能と言われており、乱暴に言えば2倍の防音性能を発揮することができることになります。

料金の目安としては、窓の大きさにもよりますが5~20万円となり、DIYも可能ですので外の騒音で悩まれている方には是非試していただきたい方法です。

なお、賃貸物件の場合、設置にはオーナーの許可は必要ですが、物件のバリューアップという側面もあるため、原状回復工事をしないで留置できる可能性もあります。

ポイント

筆者は防音カーテンというインプラスと同じような値段の大変高価なカーテンを利用したことがありますが、防音効果は殆どありませんでした。
理由は2つです。そもそも、密閉性がないこと。もう一つの理由は、防げる周波数と苦手な周波数が存在するということです。
音は低い音から高い音までありますが、低音域は波長が長く遠くに届きやすい性質があり、高音域は波長が短く狭い範囲とどまります。
カーテンレベルだと、低~中音域が抜けてきてしまい、殆ど効果がありませんでした。高い勉強代を支払ってしまった例です。

防音室と防音リフォームどちらがいい?

より高い防音性能を求めたいという場合は、防音室を導入するか、防音リフォームを考えるということになります。

基本的にはどちらも、部屋の中において人を防音壁で囲むという考え方で、騒音元が外である場合も内である場合も防音効果が得られます。

防音性能や機能、費用が異なります。まとめると以下のようになります。

防音室 防音リフォーム
広さ 0.8畳~4畳(広さと費用が比例) 基本的には元のままだが、部屋の床や壁が厚くなるため、やや狭くなる
防音性能 密閉性が高く、ピアノ等の楽器も防音できる(Dr35~40) 密閉性がやや劣り、話し声程度であれば防音できるが、ピアノ等の楽器は音が漏れる可能性がある。

また、上階の足音などの固体伝播音を完全に防音することは難しい。

費用 60万円~250万円(広さと費用が比例) 160万円~
重量 広さと防音性能に比例し、300キロ~1トンになる(建築基準法では床の耐荷重は180キロ/㎡と決められており注意が必要)。 マンションの構造によって施工内容を調整することができる
空調 密閉性が重視する構造上、空調機能を付けるのは難しく、夏は暑く、冬は寒い。 通常のエアコンが利用可能

壁のみを防音リフォームする相場は?

防音注文住宅居室2

家族からWeb会議の声が大きいというようなクレームがある場合、壁に防音工事を施すことが有効です。

壁の防音リフォームの選択肢は2つあります。

リフォーム内容 費用相場
①壁の内側に防音材 12~25万円
②防音の換気口に変更 7千円~5万円

なお、壁の防音工事は電車や車など外部の音を軽減する目的にも効果的ですが、窓があるのならまずは窓の防音を先にすることをお勧めします。

①壁の内側に防音材

一般的な施工は、吸音材と遮音シートを内側に入れ、石膏ボードと仕上げ材で仕上げるというものです。

使用する吸音材や遮音シートの種類、施工対象の壁の面積によって価格は変動します。

②防音の換気口に変更

一般的な換気口は中からも外からも音が筒抜けですが、防音タイプの換気口に取り換えることで防音効果を得ることができます。

屋外のキャップは7000円程度、室内の換気口も取り換える場合は15000円程度、ダクト内に設置する防音パイプは1500円程度かかります。

居住地によっては防音リフォームに補助金が出ることも

次のいずれかに当てはまる人は、自治体などから補助金が出る可能性があります。

  • 空港の近くに居住している
  • 幹線道路沿いに居住している
  • 自衛隊・米軍基地の近くに居住している

空港、幹線道路沿いの場合は一部、自衛隊・米軍基地付近の場合は原則全額が助成されます。

いずれも法律で定められているため、お近くの自治体に詳細を確認してみましょう。

完全無音はできない。許容できる範囲内に収める。

以前、ピアノの騒音クレームの事例を耳にしたことがあります。

木造住宅にお住いの方が夜にピアノを弾いていたところ、近隣の住民からうるさいと言われてしまったという話です。

上記の表によれば、100dBのピアノをDr-30の木造住宅で引けば、70dBの音が外に漏れますから、早朝や夜間に弾いてしまうと、クレームが来て当然でしょう。

このケースでは、最終的に防音室を設置して防音をすることになりました。

しかし、音自体は小さくなったものの、多少の音は近隣に聞こえています。

高価な防音室はDr-40程度ですから、乱暴に言うと30dBの音が外に漏れている計算になります。

とはいえ、お隣さんとはそれなりの距離も離れていますし、お隣さんの家の壁が音を遮断します。

結果的に防音室導入後は、クレームは来なくなったということです。

現実的には完全に無音化を目指すのではなく、自分の習慣を変化させることも考慮して音を聴く側が受容できる範囲内に収めるという方向性が重要となるということですね。

外からの騒音を防ぐ最も安くて効果的な方法は?

上記ではお住まいの改修を紹介しましたが、発想を転換させて、自分の耳を塞いでしまう方法も一つです。

例えば、100均に売っているトラベル用の耳栓は、耳にねじ込むタイプもあり、遮音の効果はあります。

テレワークで、カメラが常にオンになっている場合でも、耳栓であれば会社の許可が得られる可能性は高いでしょう。

また、3万円~5万円程度かかりますが、ノイズキャンセリング付ヘッドホンも極めて高い効果があります。

元々、地下鉄などの騒音の中でクリアに音楽を聴くことを可能にすることを目的としたもののため、低音域から高音域まで広い周波数帯で騒音が軽減します。

ドンドンという固体伝播音などについても気にならなくなるレベルの商品もありますので、テレワークでヘッドホンをかけることが許されるのであれば有効な選択肢になります。

ただし、電話の音も聞こえなくなるくらい強力なものもありますので、逆に気を付ける必要もあります。

何れにせよ、根本的な騒音問題の解決にはなりませんが、気軽に取り入れることができますので、仕事が手につかないような状態であれば、お勧めします。

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