家を購入してずいぶん経ち、床の傷も目立つしきしむようになってきた気がする…というタイミングで、床のリフォームを検討し始める方も多いのではないでしょうか。
我が家は家を購入してまだ数年ですが、フローリングはすでに息子二人にぼこぼこにされているため、いずれは床の張り替えをしようと決めています。
実際に床の張り替えリフォームをするとしたら、どのような方法で、どのくらいの費用で出来るのでしょうか。
ここでは、床の張り替え費用相場、リフォームの方法についてまとめてみます。
床材別費用相場
ここからは、張り替えが出来る床材別に、素材の特徴と費用相場をまとめます。
選ぶ床材によって費用も大きく変わるため、希望と予算のバランスがとれるよう、事前に相場を知っておくと良いでしょう。
床材 | 費用相場(6畳) |
複合フローリング | 12万円~30万円 |
無垢フローリング | 22万円~40万円 |
クッションフロア | 5~15万円 |
フロアタイル | 8万~20万円 |
以下、費用の理由、床材別のメリット・デメリットを詳しくみていきます。
①複合フローリング
集合住宅などでフローリング材として最も多く取り入れられている床材です。
複合フローリングの中でも特にメジャーなのが「シートタイプ」で、木目柄を印刷したシートを表面に張り合わせたものです。
表面が印刷のため様々なデザインを選ぶことができ、一般住宅で多く採用されています。
そのほかに天然木を表面に張った無垢材のような仕上がりの「挽き板タイプ」、挽き板タイプよりもさらに薄くスライスした天然木を張り合わせる「突板タイプ」があります。
複合フローリングでも無垢材のような風合いを感じたい方は「挽き板タイプ」「突板タイプ」、選択肢が多くあり、価格をおさえたい場合は「シートタイプ」を選ぶと良いかもしれません。
複合フローリングのメリット
天然木は素材の特性上、収縮したり反ってしまうことがありますが、複合フローリングはそのリスクが少ないというメリットがあります。
また、様々な機能を備えた製品も多く出ていて、子育て世帯やペットを飼っている家に適した床材が多くあります。
機能だけではなくデザインの選択肢も多いので、部屋の雰囲気に合わせた床材選びが可能です。
また、無垢材よりも施工しやすいため、リフォーム業者の選択肢も広がります。
複合フローリングのデメリット
一度傷が出来てしまうと、目立つうえに補修がしにくいというデメリットがあります。
経年劣化の味は出にくいため、年数が経つごとに汚れや傷が気になるようになってしまうかもしれません。
また、天然木ならではの柔らかさはなく、踏み心地が硬いと感じる可能性もあります。
複合フローリングの価格相場
選ぶタイプ、厚さ、コーティング、既存の床材によって価格は変わりますが、6畳の部屋で12万円~30万円程度です。
挽き板タイプのように無垢材に近い素材を使っているものや、厚みがあるものなどは価格が高くなります。
また、防音タイプの物やフローリングの傷防止コーティングをする場合はさらに価格が上がります。
マンションなどの集合住宅の場合、管理規約に防音に関する規約があり、使用する床材の指定がある可能性があります。事前に確認しておきましょう。
また、既存の床材がカーペットやクッションフロアか、畳か、フローリングかによっても工事費が変わってきます。
特に畳の部屋の場合、基本的に張り替え工法となる上、下地処理も追加で必要になるため、工事費が高額になる可能性が高いです。
②無垢フローリング
丸太から切り出したナチュラルな一枚板を使います。
複合フローリングのように薄い木材を重ねる方法ではないため、「単層フローリング」と呼ばれることもあります。
無垢フローリングのメリット
天然木ならではの柔らかさや香り、肌触りは複合フローリングでは感じることのできない大きなメリットです。
また、経年劣化の中で味が出てくるため、長く楽しむことのできる床とも言えます。
無垢フローリングのデメリット
天然の気なので収縮、膨張します。そのため、反りや隙間が生じる可能性があります。
複合フローリングと比較すると、手入れの頻度は高くなるでしょう。
また、柔らかさゆえに物を落としたりすると傷が出来たり凹んだりしやすいというデメリットもあります。
ただし、無垢材は傷や凹みを補修しやすいため、ちょっとした傷や凹みは経年劣化とともに味が出てくるというメリットも持ち合わせています。
無垢フローリングの価格相場
無垢フローリングのリフォーム費用相場は、6畳で22万円~40万円程度です。
使用する木の種類や、表面に出る木目や節の有無によっても価格が変化します。木目が美しいもの、節が少ない、もしくは全くないもの程高価です。
無垢フローリングは防音性が認められていないため、マンションなどの集合住宅で導入しようとする場合は要注意です。
下地に防音措置をする必要がある場合、工事費がさらに高額になる可能性があります。
③クッションフロア
クッションフロアは、表面がビニール素材のクッション性の高い柔らかい床材です。
表面はフローリング調の柄や、レンガ風など、様々なデザインがプリントされているため、バリエーションが豊富です。
一般住宅では洗面所やトイレに張ってあることが多い床材です。
クッションフロアのメリット
他の床材よりもコストが抑えられます。
また、ビニール素材のため水分をはじきます。そのため汚れを落としやすく、手入れが簡単です。
小さなお子様や、ペットが過ごす部屋にも適しています。
さらにクッションフロアは他の床材よりも施工が簡単なため、工事費も抑えられます。
また、将来的に再度別の床材へリフォームすることを想定して張っておくのにも最適な床材です。
クッションフロアのデメリット
ベッドや棚など、重い家具を長期間置いておくと跡が残りやすいというデメリットがあります。
また、熱に弱く、変色・変形のリスクがあります。
日焼けしてしまうこともありますし、熱いものをこぼしたりすると表面が溶けてしまうため要注意です。
また、通気性が良くないため、床下に湿気がこもりカビが発生するリスクがあります。
クッションフロアを張る場合は、業者にカビ対策について聞いてみましょう。
クッションフロアの価格相場
クッションフロアの価格は、6畳で5~15万円程度で、フローリングと比較するとずいぶん手ごろな価格です。
他の床材同様、張り替え工法の方が費用が掛かります。
④カーペット
カーペットは素材の種類が多く、様々な質感のものがあります。
質感だけではなく、カラーバリエーションも豊富なため、部屋の印象をガラッと変えたい時にもおすすめです。
とはいえ、リフォームでカーペットを敷くケースは殆どありませんので、上記の費用相場からは除外しております。
ここではメリットとデメリットを述べるにとどめます。
カーペットのメリット
カーペットは防音、遮音効果の高いものが多いというメリットがあります。
マンションなどの集合住宅では、階下へ物音が響きにくいため、子供部屋に導入する人も多いようです。
さらに音だけではなく、クッション性が高いので衝撃も吸収します。小さなお子さんが遊ぶ部屋に敷いておくとケガ防止にもなります。
また、保温高価も高く、底冷えする部屋を毛足のやや長めのカーペットに変えることで暖かさを感じられます。
カーペットのデメリット
カーペットは他の床材と比較すると、水分を吸収しやすい素材です。
薄い色のカーペットに、濃い色の飲み物をこぼしたりすれば、シミが残ってしまいます。
また、水分を吸いやすいため湿気がこもり、カビやダニが発生するリスクもあります。撥水加工や防ダニ機能付きのものを選ぶなど対策が必要です。
また、クリーニングに費用や手間がかかること、長期間使用すると日焼けや汚れが目立ってくるので、ある程度経過したら交換も必要になるでしょう。
⑤フロアタイル
フロアタイルはクッションフロア同様にビニール素材の床材です。
クッションフロアとの違いは、シートではなくタイルのようになっていて、表面も本物に近いリアルな作りになっている点です。
また、クッションフロアのようなクッション性はなく、フローリング材と似たような印象です。
フロアタイルのメリット
クッションフロア同様に水や汚れに強く、手入れがしやすいです。また、価格もリーズナブルです。
デザインバリエーションも多く、クッションフロアよりもより素材感を出したデザインのため、高級感も出ます。
クッションフロアは柔らかいため、重い家具を置いておくと凹んでしまうというデメリットがありましたが、フロアタイルは素材が硬めなので凹みが少なくなります。
また、施工のしやすさも大きなメリットです。
フロアタイルは既存の床の上にそのまま張ることができます。
床暖房が入っている床では、張り替え工法のリフォームは大掛かりな工事になってしまい、費用も高額になってしまいますが、フロアタイルはそのまま張ることが可能です。
フロアタイルのデメリット
クッションフロアと違い、タイル状の形のため、つなぎ目から水や汚れが入り込んでしまう可能性があります。
また、防音性はほぼありません。
既存の床の下地自体が傷んでしまっている場合などには、あまり適した施工ではありません。
フロアタイルの価格相場
フロアタイルの価格は、6畳で8万~20万円程度です。
クッションフロアよりも少々価格が上がると認識しておきましょう。
床の張り替えタイミングは?
床をきれいにすると言っても、経年劣化しているだけで、日常生活に支障はないからなんとなく踏み切れないという方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、生活に支障がなくとも床材には一定の寿命があります。
床材によって交換目安時期は異なりますが、およその目安は下記の通りです。
床材 | 交換目安時期 |
フローリング | 10~15年 |
フロアタイル | 約10年 |
クッションフロア | 約10年 |
カーペット | 約5年 |
畳 | 裏返し2~5年、表替え4~8年、新調10~15年 |
こちらはあくまで目安です。
小さいお子様がいる家、ペットを飼っている家では、床の傷みはもう少し早く進行する可能性が高いでしょう。
なお、以下の現象が起きている場合は、なるべく早めにリフォームを検討することをおすすめします。
- 歩くとギシギシ音が鳴る
- 床を踏むと沈む箇所がある
これらは床そのものだけではなく、床の下地の劣化が進んでいるサインである可能性があります。
この場合、床材を張り替えるだけでは根本解決にならず、下地の補修もしなければなりません。
つまり、下地の補修箇所が広かれば広がるほど費用は高額になり、工事期間も長くなってしまうリスクがあるのです。
そのため、下地の劣化を広げないためにも、これらの現象が起きている場合は早めに業者に調査依頼をすることをおすすめします。
床張り替えリフォームの工法
床の張り替えの工法には、大きく分けて二つのパターンがあります。一つは「張り替え工法」、もう一つは「重ね張り工法」と呼ばれています。
まずはそれぞれの特徴と違いについて確認してみましょう。
張り替え工法
現在の床をすべてはがし、新しい床材に張り替える工法です。
一度すべての床材を撤去するため、下地を目視でチェックすることが可能です。
下地に不具合があった場合は補修工事が出来るため、後から別の場所で不具合が起きにくくなります。
床材が10年以上経過している場合、床材を別のものに変更したい時、床に軋みや沈みなどの現象がみられる場合におすすめの工法です。
メリット
- 下地の状態をしっかりと確認できる
- 床材を違うタイプのものに一新できる
デメリット
- 工期が長く、費用高め
- 下地の補修が必要な場合、追加費用が発生する。
重ね張り工法
上張り工法、レイヤー工法とも呼ばれます。今ある床材はそのままにして、その上に新しい床材を張るという工法です。
床材や下地の経年劣化が少ない場合に適した工法です。
また、床暖房を導入している床の場合、工事が大規模かつ高額になってしまうため、この工法を取り入れることも多いようです。
メリット
- 工期が短く、費用も抑えられる
- 床の解体はしないため、工事の音やほこりが立ちにくい
- 床暖房導入済みの床でも対応可能
デメリット
- 下地に不具合がある場合は難しい
- 既存の床材に床を重ねるため、床の段差が生じる
既存の床の状態は、素人目では正確に判断することは困難です。
どちらの工法を使ってリフォームをすべきかは、床の張り替えリフォームに詳しい業者を選んで相談することをおすすめします。