外壁塗装にありがちな手抜き工事とトラブルを防ぐには

家を建てて10年ほど経過すると外壁の汚れや劣化が進むため、外壁塗装工事をする必要があります。

その際に気をつけなければならないのが、外壁塗装の手抜き工事やトラブルの発生です。

家主は必ずしも専門的な知識を持っているわけではなく、手抜き工事を見抜くことが難しく、悪質な業者によって酷い工事をされてしまうこともあります。

ここでは、外壁塗装にありがちな手抜き工事の事例、トラブル回避のポイントについてご紹介します。

外壁塗装によくある手抜き工事事例

まず、外壁塗装でよく見られる手抜き工事の事例をご紹介します。

きちんとした足場を設置しない

外壁塗装作業を安全に行うために、本来はくさび式足場という足場が板状のしっかりとしたものを使用します。

しかし、劣悪な業者の中にはコスト削減のために、鉄パイプを組み合わせただけの簡易的な足場を使用するものがあります。

これは安全面で問題があるため労働安全衛生法でも禁止されています。

また、足場が悪く丁寧に塗装作業が行えないため、結果として手抜き工事になる可能性が極めて高いです。

養生を丁寧にしない

塗装中に塗料が付着しないよう、塗装する箇所以外をシートなどで保護することを養生といいますが、これを怠る業者がいます。

外壁塗装作業は、高圧洗浄の水が飛び跳ねたり、塗料が他の場所に飛び散ることがあります。

自宅だけではなく近隣家屋への影響も予想されるため、養生は重要なポイントです。

玄関や窓、車、エアコンの室外機、家を囲む足場周り4面の養生を丁寧にしない場合、手間や費用を抑えようとしている手抜き工事の可能性があるため、要チェックです。

外壁高圧洗浄をしない

外壁には様々な汚れやゴミが付着しています。

これらを高圧洗浄で落とすか落とさないかで、上から塗る塗料の持続力が大きく変わります。

高圧洗浄をせずに塗装をしてしまうと、たった数年で塗膜が剥がれてしまう原因になるため要注意です。

外壁の補修を怠る

外壁にひび割れなどの異常がある場合、塗装前にその箇所の補修が必要です。

補修をせずにそのまま塗装をすると、見た目にはあまりわからなくとも、ひび割れた箇所から劣化が更に進んでしまいます。

人件費や工期を抑えるために、意図的に補修が省略されることもありますので、気を付けたいところです。

コーキングを交換しない

窓や玄関の周囲と外壁の間に埋め込まれているゴムのような素材を、コーキング(目地)と言います。

水の侵入などを防ぐ役割を担っていますが、外壁同様経年劣化していくため外壁塗装時に交換することが多いです。

しかし手抜きをする業者は、既存のコーキングの上から打ち増しをしたり、見た目も悪い雑な作業をすることがあります。

塗料の希釈が目分量もしくは薄めすぎ

塗料は種類によって、最適な希釈率が定められています。

この希釈率を守らないと、塗料の本来の効能を発揮しないどころか、早期劣化の原因になります。

しかし、時短のために目分量で希釈したり、塗料代を安くするために希釈しすぎる業者もいるのが実情です。

乾燥時間を確保しない

まず、高圧洗浄後の乾燥時間を正しく確保せずに塗装をすると、塗膜内側で水分が蒸発することにより、塗膜が膨らみ破け、剥がれてしまうことがあります。

次に、塗料を複数回塗り重ねる作業の間で、時間短縮のために下に塗った塗料が乾ききる前に上から塗装をすることにより、塗料が早く劣化し剥がれてしまうことがあります。

きちんと乾燥をさせていれば、少なくとも作業日数は2〜3日となるはずです。

塗装回数を減らす

塗装回数は塗料の種類によって決まっています。

悪質な業者はこの回数を勝手に減らして塗装を終えることがあります。

回数を減らすと塗膜は薄くなり塗料の効果は発揮されず、短期間で劣化する原因にもなります。

雨天など高湿度のときにも塗装をする

速乾性の高い塗料であっても、湿度が高い日は乾きにくくなり、湿気を巻き込むことで結果的に仕上がりが悪くなります。

油性でも水性でもこれは同じです(なお、乾燥後は耐水性を獲得します)。

そのため雨天や湿度が85%以上の日は工事を止めなければならないという決まりがあるのですが、工期短縮のために悪天候でも作業を進めてしまう業者もいます。

外壁塗装で起きやすいトラブル

手抜き工事以外にも、外壁塗装で発生しやすいトラブルがあります。

仕上がりの色でもトラブルが起きやすい

意外と多いトラブルで、打ち合わせ時に選んでイメージしていた色と、仕上がりの色が違うということがあります。

小さな紙面の色見本で選んだ場合に特に起きやすいトラブルです。

本来明るめの色は見本より実際は更に明るく、暗めの色は実際は更に暗くなるということを営業マンが説明する必要があるのですが、コミュニケーションがきちんと取れていないと、仕上がりが思っていた色と違うということになりがちです。

事前にカラーシュミレーションソフトなどで、実際のイメージのすり合わせをしておくようにしましょう。

悪質な追加請求トラブルが起きることも

見積もり時の金額では収まらず、高額な追加請求をされるケースがあります。

事前の点検で安い見積もりを出し契約にこぎつけ、工事が始まってから様々な追加請求をするという悪質な業者が存在します。

事前点検後の見積もりがざっくりとした内容で、詳細が不明なものを出された場合は要注意です。

ご近所トラブルは事前に防止

外壁塗装時には、音、臭いなどが発生します。

ご近所の方に事前に工事をすることを伝えずに作業が始まってしまうと、近隣トラブルに発展してしまうことがあります。

きちんとした塗装業者であればご近所に挨拶回りをするため、その際に家主も一緒に挨拶回りをしておくことで、トラブルを防止しましょう。

手抜き工事やトラブルを回避するためにできること

手抜き工事は発生してしまってからではリカバリーが困難になりますので、事前に極力回避することが重要です。

手抜き工事やトラブルを回避するポイントを押さえておきましょう。

丁寧に事前点検をしてくれる信頼できる業者を選ぶ

何よりも重要なポイントが、業者選びです。

まず、突然「外壁塗装したほうがいいですよ」と訪問してくるような業者には悪質な業者が多いため、絶対に依頼しないようにしましょう。

選ぶなら、地域密着型の施工実績の多い業者がおすすめです。

また、見積もり前の事前点検を、時間をかけて丁寧に行ってくれる業者は安心です。

劣化状況を正しく把握できれば、正確な見積もりも出せるため、後で話が違うということが起きにくくなります。

詳細な見積もりをもらう

ざっくりとしていて、詳細がよくわからない見積もりを出す業者には、依頼をしないほうが良いでしょう。

手抜き工事や、追加請求をされるリスクが高まります。

事前点検は業者任せにせず、必ず同行し不具合のある箇所を一緒に把握して、詳細で適切な見積もりや塗装プランを出すよう要求しましょう。

まとめ

以上、まとめです。

  • 外壁の手抜き工事は素人では見分けにくい上、着工してからでは手遅れになる
  • 事前の丁寧な点検、詳細見積もり、塗装プランを出してくれる業者を選ぶ
  • 外壁塗装のトラブルは事前に回避できるよう、業者選びに注力を
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