マンション並みの”制震”を一般の木造住宅へ

「耐震」だけでは繰り返される大地震に耐えられない

このページをご覧の皆様は、耐震等級という言葉はご存じかと思います。

耐震等級には1~3等級があり、耐震等級1の家は震度6~7の地震でも倒壊・崩壊しない家であるとされます。最大の等級である3については、耐震等級1の1.5倍の耐震性能があります。これは、警察署や消防署レベルの耐震性です。

当社では長年に渡って、新築においては耐震工法テクノストラクチャーを活用し、構造計算をした上で、耐震等級3を実現してきました。

しかし、耐震等級の耐震とは、震度6程度の地震1回では倒壊しないための構造体の強度を耐力壁や筋交いで確保するもので、繰り返しの地震は想定されていません。そのため、耐震等級が1以上であっても、地震によって建物が揺れることが繰り返されると、構造体が損傷し、倒壊の危険性が高まることが分かっています。

そして、記憶に新しい能登地震の際には、強い地震が数回に渡って繰り返されたことが分かっています。

石川県珠洲市では、2024年能登半島地震で古い木造住宅が軒並み倒壊した。3000棟近い住宅が全壊している。15秒に3回の地震が発生。揺れの継続時間が長くなったことで、被害を拡大した可能性がある。

日経XTECH

そのため、当社では耐震だけでなく、より地震に強い家づくりを推進するための「制震」に取り組んでいます。

制震とは、耐震とはまた別に、建物の揺れを抑え、構造体の損傷を軽減することで、繰り返しの地震に耐えるようにする手法です。

実際、マンション等の大規模な建築物では、既に制振装置がセットされています。しかし、一般住宅においては、耐震等級3の住宅は年々増えているものの、制震が考慮されている住宅は多くありません。

当社では、一般住宅にも制震を取り入れ、地震への備えを推進しています。

「BOSHIN」で制震リフォーム

自社でおこなった制震リフォームをご紹介します。

柱梁に制震装置を取り付けています。このように、一部の壁板を剥がすだけで作業ができます。

再建築不可のお家で地震に備える方法として有効

建築基準法では、敷地に対して道路が4m以上の幅で2m以上接していないと家が建てられません。

これを接道義務と言いますが、底地を購入して分筆されたケースなど、再建築不可のお家は未だに散見され、大幅なリフォームで対応するしか手がない状態です。

耐震性能を高めるためには横揺れに耐える「耐力壁」を増やすことが必要で、このようなお家でもリフォームによって耐震性能を高めることは可能です。

一方で、再建築不可であるお家の場合、柱から構造体を建て直すことができないため、既存の柱が細い場合では、繰り返しの地震による柱梁のたわみが不安材料になります。

そのため、制震装置によって柱梁を補強するという方法が有効になってきます。

大規模な工事が不要で制震ができる

耐震等級を上げるためには、屋根や壁、構造体のリフォームが必要になり、大規模になりますが、制震リフォームについては、ご覧のように柱梁に制震装置をセットするため、それほど大規模な工事にならないことが特徴です。

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