はじめに

現在、金融緩和政策により政策金利が低く設定されており、加えて住宅ローン減税も拡大されていることから、借りやすい環境となっています。

注文住宅の新築やリフォームをするに当たって、住宅ローンを考えている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、賢く住宅ローンをしたい方に向けての情報をまとめています。

代表的な住宅ローン

住宅ローンは、口座のある信金や銀行から借りることもできますが、以下の2つの住宅ローンが金利も低く、借りる人も多くなっています。

フラット35

住宅金融支援機構と金融機関が連携して提供する長期固定金利の住宅ローンです。金利は35年間固定化です。仕組みはサブプライムローンに似ていますが、住宅金融支援機構が審査基準を設けている点や金利が固定の点で異なります。

フラット35S

フラット35を申し込んだ場合に、当注文住宅が省エネルギー性や耐震性などに優れていれば、金利を一定期間引き下げることができます。ただし、似たような制度の認定長期優良住宅新築等特別税額控除は住宅ローン減税と併用することは出来ず、全く別物ですので注意が必要です。

住宅ローンの金利には2種類ある

住宅ローンをする際には金利の支払いが必要となります。

前述した、フラット35は「固定金利」ですが、「変動金利」という金利があり、ご自身のライフプランなどに併せて選ぶ必要があります。

できるだけ低い金利で借りたいと思うのが消費者の性ですが、利率の低さだけで選ぶのではなく、種類にも注意しましょう。

固定金利

契約時の金利で元本完済まで固定して支払います。金利が低い時に借りればお得です。金利の目安は、20年金利で2.180%~4.100%程度です。

変動金利

原則的に半年程度で金利が見直されます。金利が上がると、負担も増えますので、固定金利よりも金利上昇リスクはありますが、現在のような金融緩和政策時は政策金利が低く設定され、固定金利よりも低い金利となっています。金利の目安は、0.770%~2.675%程度です。

このように金利には2種類あるということを覚えておいて下さい。

ただ単に低いからといって、変動金利にしてしまうと、政策金利が上昇した後に、上昇する可能性がありますので、要注意です。

また、この2種類を組み合わせた金利もあります。

固定金利と変動金利どちらが有利なのか?

実は、住宅ローン金利は次のように金融市場の指標を元に設定されています

固定金利

長期金利:長期国債(新発物10年国債)

変動金利

短期金利:無担保コールレート・翌日物

短期金利は、日銀の金融政策によりコントロールされますが、0.075%程度で安定しています。

これは、「無担保コールレート(オーバーナイト物)を、0~0.1%程度で推移するよう促す」という発表があったように、 日銀が政策的に行ったことです。

短期金利はいつ上がるのかという懸念がありますが、物価上昇率2%を達成してからと言われています。

というのも、金利が高ければ、短期資金の貸借を行うコール市場で日本の金融機関はお金を借りなくなってしまうからです。

つまり、上がるとしても景気回復後ということになり、現段階で固定金利に飛びつくといたずらに金利を増やすことになりかねません。

ちなみに、長期国債の金利(≒固定金利)は、景気が上向けば上がります。

というのは、景気が上向くと土地や株などへリスクマネーが流れ、安全な資産である長期国債を買う人が少なくなり、結果長期国債の値段が下がります。

そうすると、利息は一定の為長期国債の金利が上がるのです。つまり、最終的には固定金利が上がることになるのです。

まとめると、今の段階では、このまま景気が回復しないと思えば、変動金利でよいですし、回復すると思えば、固定金利にすればよいということになります。

これは正直エコノミストでも意見が割れるところでしょうし、筆者にもわかりません(^_^;)。

物価上昇率2%の達成は、(目標期限は定められていませんが)恐らく1年を目処にしていますので。まずは、変動金利で1年を目処に様子をみてみてもよいかもしれませんね。

ただ、フラット35の金利も今までで最も低い水準まで下がっていますので、無理せずフラット35にしてしまうのも手かもしれません。

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