昔ながらの家に多く見られる、タイル張りのいわゆる在来工法と呼ばれる造りのお風呂。年季も入ってきているし、使い勝手も悪いのでリフォームしたいとお考えの方も多いと思います。
お風呂をリフォームするとなると、多くの人がイメージするのはユニットバスです。
しかし建物自体が古かったり、浴室の構造によっては、イメージしているユニットバスへのリフォームは実現しない可能性もあるのをご存知でしょうか。
ここでは、在来工法のお風呂のリフォームの選択肢、それにかかる費用相場などについてまとめてみます。
目次
在来工法は費用がかかるが、こだわりのお風呂が作れる
お風呂のリフォームと言えば、ユニットバスへの変更が一般的です。
在来工法のお風呂のデメリットを思い浮かべてみてください。
寒い、滑る、浴槽が高くて入りにくい、掃除がしづらい、水が漏れて家の基礎に影響する…などなど、様々な意見が聞かれます。
これらのデメリットを払しょくしてくれるのがユニットバスです。
基本的にユニットバスは断熱性に優れていて、冬場でも暖かいというメリットがあります。
極端な温度差によって起こるヒートショックの対策にもなるため、体にとっても負担も減ります。
滑りにくい床材であったり、浴槽の位置が低く出入りがしやすい造り、手すりも各所に設置可能で、浴室内での事故防止対策も可能です。
また、既成の箱を入れるようなリフォームのため隙間からの水漏れも起こりにくく、シロアリなどの害虫対策にも効果的です。
しかし、ユニットバスはすべてサイズが決められていて、自宅の浴室のサイズにカスタマイズすることはできません。ユニットバスの唯一のデメリットとも言えます。
そのため、現在のご自宅の浴室サイズと合うユニットバスがなかった場合、ユニットバスへのリフォームは断念しなければならないケースがあるのです。
では、在来工法の浴室をリフォームする場合、どのような選択肢があるのでしょうか。
ユニットバスも含め、費用相場と共にまとめてみましょう。
①ユニットバスにリフォーム 費用相場:約130~200万円
集合住宅で浴室面積が小さい場合、60~100万円程度でリフォームできるケースもあります。
メリット
- 断熱性に優れていて暖かい
- 床材や浴槽の高さなどで事故防止対策がとれる
- 防水性が高い
デメリット
- 既成サイズに当てはまらない浴室には入れることができない
②在来工法で作り直す 費用相場:約150~250万円
メリット
- 既存の浴室面積を最大限に生かせる
- 使う浴槽、タイル、天井などすべてカスタマイズが可能で、自分好みの空間を作ることが可能
デメリット
- 断熱性、防水性は現在の浴室と変わらない
- こだわりすぎると費用が高くなる
- 工期が長め
大浴場のリフォーム【株式会社N様埼玉工場・120周年記念事業】
③ハーフユニットバス 費用相場:約150~250万円
天井に傾斜があったり、浴室内に柱の出っ張りがあることでユニットバスを入れられない場合に有効な選択肢です。
水が多く触れる洗い場、浴槽、壁の下半分をユニットバス、それより上部分を在来工法でリフォームします。
メリット
- 在来工法よりも防水性が高い
- ユニットバス部分以外の壁や天井に使う
- 素材や造りにこだわることが可能
デメリット
- ユニットバスと比較すると防水性が劣る
- こだわりすぎると費用が高くなる
このように、ユニットバスへのリフォームが難しい場合でも、在来工法のお風呂を快適な空間にするための選択肢はあります。
ユニットバス以外のリフォーム経験が豊富な業者を探し、相談してみることをおすすめします。
在来工法の浴室リフォームは補助金制度を活用できる
在来工法の浴室リフォームに必要な費用を上で大まかにご紹介しました。
浴室を丸ごと入れ替えるような大掛かりなリフォームとなるため、費用は決して安いとは言えないものだということはお分かりいただけたと思います。
ここで必ず確認していただきたいのが、国やお住まいの地域の自治体などのリフォームに関する補助金制度です。
デメリットとして挙げた通り、在来工法の浴室は断熱性や安全面で懸念点が多く、高齢者の方にとって不安要素が多い空間です。
もしリフォームの動機が家族の介護であれば、介護保険制度を利用することが可能です。
要介護者と認定された方が居住していることが条件となり、介護目的でバリアフリーのリフォームをする場合、工事費の7~9割を負担してもらえます。(ただし上限は20万円)
また、自治体によっては、介護認定がなくとも、お住まいの高齢者のためのバリアフリーリフォームをした場合、補助金が支給される自治体もあります。
さらに、高齢者の方が住む家でバリアフリー工事をした場合、リフォーム減税制度で所得税の控除などが適応されるケースもあるので、該当する方はぜひ詳細を問い合わせてみましょう。
また、ご自宅に高齢者の方がいない場合でも、断熱性の低い在来工法のお風呂を、断熱性の高いユニットバスにリフォームすることは省エネにつながるという考え方から、リフォームの補助金対象となるケースもあります。
いずれも詳細については自治体の窓口や、制度に詳しい業者などに確認してみましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
一日の疲れを癒すお風呂は快適な空間であることが望ましいですよね。
私自身も親の会社の社宅に住んでいたころは在来工法のお風呂に入っていましたが、冬はつらかった記憶があります。
お風呂を快適な空間にするために、ご家族、予算、信頼できる業者とよく話し合い、リフォームを検討してみてはいかがでしょうか。